ロバート・キヨサキ氏(以下、R氏)の『金持ち父さん貧乏父さん』についてwok氏的感想を述べますが、半分は賛同できますが、半分は人生を死地に追いやる悪書であるという評価です。
悪書であると思った部分については、以下に記載します。
本の中で、金もないのにどうやって金持ちになるんだ?という問いへの答えが
「他人のお金をうまく利用せよ」
というものでした。そして、そのお金でアパートを買えば家賃収入という不労収入が手に入るし、地価が上がれば転売で利益を得ることができるだろう?という丸ローンで不動産を買ったら金持ちになったサクセスストーリーが展開されていました。確かに、ロバート・キヨサキ氏が現役であった頃の米国不動産価格はリーマンショックまでずっと右肩上がりでしたのでうまくいったというところでしょう。日本でいうなら、1990年のバブル崩壊までなら不動産投資でうまくいったでしょう。不動産投資の危険性については、後日書こうと思いますが、バブル時代の限界ニュータウンの今とかを見れば、なんとなく分かるかと思います。
今の時代に日本国で丸ローンで不動産投資したら、借金だけ残って破滅すると、wok氏は強く思います。ゆえに、半分は悪書であると思ったわけです。
賛同した部分については、以下に記載します。
「金持ちになれない人はラットレースをやっているからだ。」
というR氏の考えは評価できます。労働でお金を稼ぐ、そのすべてを生活費に使ってしまっていると、確かにいくら働いても金持ちになることはできません。投資に資金を回すことで新たな収入を生み出し、投資を続ければ続けるほど収入が増大し、やがてはラットレースから解放されるという不労収入サクセスストーリーです。ただし、wok氏は正しい投資をしなければ意味がないと思っています。正しい投資というのは難しいものですが。
R氏が作った「キャッシュフローゲーム」というゲームがあります。これは、ラットレースから抜け出していく体験をゲームで再現したものですが、ゲームでは上手くいくかもしれませんが、現実社会はそれほど甘くはありません。収益資産に投資したつもりが、実は負動産であったということもよくあります。
もうひとつR氏の考えを紹介しましょう。
「ペーパー(現金)は信用できない。信用できるのは現物資産だけだ」
というR氏の考えは評価できます。現在の大規模な金融緩和の時代では、R氏の現役時代よりも有効と言えるでしょう。リーマンショックやコロナ禍により、世界の中央銀行はペーパーを刷りまくりました。日本人は貯蓄が好きですが、ペーパー(現金)が事実上の紙くずになる”XDAY”が来たら、貯金している人はゼロ資産になってしまいます。一方、現物資産を持っている人は、それなりに資産を守ることができます。ペーパー(現金)は、国が信用という魔法をかけているから価値があるということです。現物資産とは、地金(ゴールド)や油田などのことです。R氏の油田投資は非常に興味深いものでした。米国テキサスでは、個人でも油田を購入することができ、油田から出た原油を売ることで収入を得ることができます。無尽蔵に原油が出るのであれば、「金の卵を産む鶏」投資と言えるでしょう。
R氏の成功は、第二次世界大戦以降の覇権国アメリカであったために可能だったものであり、今の日本で同じことを試みることは簡単ではないでしょう。正しい投資をして収益資産を増やせば、ラットレースからの解放も可能になるでしょう。ここに書かれていることは過去の成功の話であり、将来を予測して収益資産を増やしていくことが肝要であると、wok氏は考えます。