LINEヤフー株式会社(2024年3月期)の決算書に基づく将来性と株価の趨勢
財務成績の概要
- 売上収益: 1兆8,146億円(前年比 +8.5%)
- 営業利益: 2,082億円(前年比 -33.8%)
- 税引前利益: 1,816億円(前年比 -22.8%)
- 親会社株主に帰属する当期利益: 1,132億円(前年比 -36.7%)
ポジティブな要因
- 売上収益の増加:
- 売上収益は前年比8.5%増加しており、PayPay株式会社の連結子会社化やコマース事業、メディア事業の成長が寄与しています。
- 調整後EBITDAの増加:
- 調整後EBITDAは前年同期比24.7%増の4,149億円であり、企業結合の効果やコスト最適化の取り組みが反映されています。
- キャッシュ・フローの改善:
- 営業活動によるキャッシュ・フローが前年の930億円から3,164億円へと大幅に増加しています。
戦略的な取り組み
- メディア事業:
- アカウント広告の成長や検索広告の強化により売上が増加。LINE公式アカウントの有償アカウント数が増加し、売上収益は前年比22.3%増。
- コマース事業:
- アスクルグループとZOZOグループの成長により売上収益が増加。eコマース取扱高が前年同期比2.0%増。
- 戦略事業:
- PayPay連結子会社化の影響と成長により、売上収益が前年比51.0%増。PayPay連結取扱高は前年比22.2%増。
リスク要因
- 規制リスク:
- 国内外の規制変更や競争の激化が業績に影響を与える可能性があります。
- 経済情勢の変動:
- グローバルな経済情勢や市場の需要変動が業績に影響を与える可能性があります。
- セキュリティリスク:
- パーソナルデータの保護に関するリスクや不正アクセスによる情報漏洩等のリスク。
将来の見通し
2025年3月期の連結業績予想では、売上収益は1兆9,350億円(前年比 +6.6%)、調整後EBITDAは4,300億円~4,400億円(前年比 +3.6%~6.0%)を見込んでいます。また、調整後EPSは14.3円~15.3円を予想しています。
株価の趨勢
- 売上収益と調整後EBITDAの増加、積極的な戦略的投資を考慮すると、LINEヤフー株式会社は将来的に成長が期待できる企業です。
- 株価の趨勢としては、業績の改善と成長戦略の進展により、上昇傾向が期待されます。ただし、規制リスクや経済情勢の変動には引き続き注意が必要です。